講座レビュー
吉村順三の設計手法解析

考えに考え抜く姿勢に、思わず背筋が伸びた
一流の設計事務所の雰囲気を少しでも味わいたいという興味から受講いたしました。吉村順三設計事務所はクライアントにプランを提示するまで半年ほど練るというお話を伺ったとき、設計という行為を考えに考え抜いて行うその姿勢に、思わず背筋が伸びました。出来上がった作品や作品集などからは伺い知ることのできない、見えない苦労や労力、考え方、姿勢といったものを感じることができた講座でした。
さまざまな情報があふれる今は、逆に情報に振り回され悩むことも多いのですが、周りの雑音に惑わされることなく、自身の考えを研ぎ澄まして設計にあたることが大切なのだと、心から思えたのがよかったです。建築についてはまだまだ知らないことも多く、勉強が足りないとあせってしまう部分もあるのですが、いま持っているものを存分に活かそうと思えました。増田先生、鈴木先生には感謝しております。
(神奈川県/設計歴10年)



漠然としていた吉村建築が身近に感じられるように
とっても面白い講座でした。軽井沢の山荘に始まり、キャンティレバー、小さな平屋、断面計画、そして自邸、事務所へと、写真と図面とダイアグラムを使いながら、流れも内容も分かりやすい講座でした。増田先生と鈴木先生の楽しく息の合った掛け合いのおかげで、これまで漠然としていた吉村建築が急に色づいて身近に感じられるようになりました。ようやく少し理解できたような気がします。
毎回のQ&Aコーナーも受講者の興味に寄り添った内容で励まされました。アーカイブで何度でも見返したい内容でした。また続編があったら参加したいです。
(神奈川県/設計歴20年以上)



ぜひ、第2弾もお願いします!
吉村順三さんの建築が大好きなので参加させていただきました。これまで知らなかったことをたくさん聞けた講座でした。吉村氏の有名な建築が、なぜそのようにつくられたのかを丁寧に解説されていて面白かったです。とても楽しく、興味深く受講させていただき大変有意義な時間になりました。このような企画はとても嬉しいです。ぜひ、第2弾もお願いいたします。
(滋賀県/設計歴15年未満)



新鮮だった、モジュール寸法の妙
知っているようで知らない吉村順三という建築家を、この際きちんと知っておきたいという思いで受講いたしました。ちょうど「仙石原の家」を見学する機会があったのも、吉村建築について深く知りたいと思うきっかけになりました。
増田先生の講義は、書籍や雑誌などから得られる情報とはまったく違う「生きた情報」ばかりでとても新鮮でした。特にモジュール寸法の妙が勉強になりました。杓子定規の3尺モジュールではなく、ちょうどいい感じのモジュールで構成された建築は、無駄がなくかつ居心地も良くなることがよく分かりました。回れる動線、湧き上がる動線と共に、今後の設計にしっかり意識して役立てていきたいです。
また、あの吉村順三でさえ、常にいろいろと新しいことに挑戦し、失敗し、失敗からまた改善を繰り返していたことが知れたのも、とても勇気づけられました。増田先生と鈴木先生のやり取りも楽しく、最後まで飽きることなく拝聴いたしました。
(神奈川県/設計歴20年以上)



湧き上がるプラン、ゾーニングの手法
いつも参考にしている『住まいの解剖図鑑』の著者である増田奏さんが講師を務められる、という講座案内を見てとても気になりました。しかも、吉村順三の設計を解説するという内容。この講座で「住宅設計の基本の軸のようなもの」がつかめればいいなと思い受講を決めました。
「湧き上がるプラン」「ゾーニングの手法」など勉強になることはたくさんありました。素材へのこだわりという意味では、むしろ柔軟な考えが根底にあり、それがコスト意識から来たものなのか、良さそうなものはどんどん試していこうという精神から来たものなのか……、いずれにしろ吉村順三が建築を楽しんでいるように感じられたのがとてもよかったです。
計画の合理性、無駄のなさの追求、住宅という個人の建物に対し深く考えつくして答えを出す姿勢、空間へのこだわりに吉村氏の建築に対する愛を強く感じました。家を建てる側の人間としては、住宅設計に真摯に向き合うその精神を胸に刻み、今後の業務のサプリメントにしていきたいと思います。ありがとうございました。
(愛媛県/設計歴20年未満)



吉村氏の建築設備は「目的とする空間を実現するための手段」
建築学科の学生の頃から興味を持っていた吉村順三先生。作品集で「軽井沢の山荘A」をはじめて見たとき、とても詩的な建築家だと感じました。そんな吉村氏の設計手法を学べる貴重な機会でした。 吉村順三の設計に対する「考え方」をテーマにした講義は、吉村氏の「想い・価値観」を知ることができるよい機会になりました。特に「軽井沢の山荘A」「南台町の家」を取り上げ解説していただいたことで、それがよく理解できました。
実務的には、玄関ホールからキッチン・リビングに直接アクセスできることで可能になる「回遊動線」、キッチンから洗面脱衣・浴室へと続く「家事動線」を意識することの大切さに気づかされました。また、建築設備があくまで「目的とする空間を実現するための手段である」という認識も忘れないようにしたいと思いました。今後はダイニングテーブルや椅子など、家具の提案もあわせて行えるようになりたいと思わせられました。
(宮崎県/設計歴20年未満)



些細なことも今後の参考になりそう
昔から吉村順三さんの作風が好きでした。吉村氏がどのような考え方で住宅を設計されていたのか知りたいと思い受講いたしました。
吉村順三設計事務所に在籍されていた増田奏先生だからこそ語ることのできるリアルなお話はとても楽しいものでした。「御蔵山の家」のように、たとえ小さな住宅であっても、そこにチャレンジや工夫がふんだんに盛り込まれていたことを知り、とても勉強になりました。ドアの開き勝手をどちらにしたらよいかなど、些細なことですが今後の設計の参考になりました。
(新潟県/設計歴20年以上)